お知らせ・近況

生産者を訪ねて③杉浦みりん

2011年7月11日

先週末、愛知県碧南市にあります杉浦みりんさんへ見学に行きました。

3代目杉浦氏が昔ながらの製法で造り上げる本みりんは、この恵まれた気候風土の元、厳選された国産もち米、麹米、近隣の酒造からでる酒粕焼酎(米焼酎)を使った天然醸造長期熟成の逸品。

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こだわって作っている蔵に共通している事は、自然な製法で作られたものは、その作る過程においても自然のチカラが最大限に発揮されてるという事。
本当に素材の持つ力強さを感じます。
そして、こだわりの職人さんのバックグラウンドはいつも興味深いものがあります。
今回も"愛桜純米本みりん"が生まれるまでの背景をお聞きし、胸が熱くなりました。

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みりんというのは江戸時代は調味料ではなくお酒として認知されていたそうです。江戸の後期に入ると、食文化が豊かになりその流れで寿司やうなぎのたれなどに使われるようになり、当時大変貴重だった砂糖の代わりとして使用されるようになったそう。
昭和に入るとアルコールの製造方法が確立され、戦後の米不足の影響を受けみりん風調味料が出現する!

これはみりんという名前を使っていながら、本来のみりんとは程遠いもの。安価な穀物材料でアミノ酸等で味付けをしたもので、塩を添加することにより課税対象外になり酒類の枠を外れスーパーなどで売られています。
これらはもろみを仕込んだり、長期熟成のプロセスがなく、調合して出来上がるため安価で売る事ができるのです。

本みりんは、焼酎の中で蒸したもち米と米麹を60日から90日糖化熟成させたいわばお米のリキュール。アルコール濃度は13.5%から14.5%。
対する"みりん風調味料"はアルコールをほとんど含まず。

ベジモでは"野菜にこだわるなら調味料にもこだわろう"という考えがあります。
野菜嫌いになる背景には、おいしく調理されていないという現実があるような気もします。新鮮な野菜を、自然な製法で作られた調味料で調理すればシンプルでおいしいお料理ができるんじゃないかと感じています。

杉浦みりんさんのような自然な製法で作られる調味料がもっともっと表にでていく世の中になりますように。
そのためには生産者であり同時に消費者でもある私たちが"食の知識"を深め命の事を考えた選択をしていく事が大切だという想いをいっそう強めた今回の生産者訪問でした。

生産者を訪ねて②枡塚味噌

2011年5月12日

ベジモ愛知の調味料開発部(勝手に発足)として、ベジモ野菜にピッタリな調味料を地元で探すというビッグプロジェクト。

今回の行き先は豊田にある枡塚味噌の蔵元。

"地球の将来を考えよう"

まず共感したのが社長(名刺の肩書きは"無期限社員")の味噌作りに対する考え方。
"味噌は作るものじゃなく、育てあげるものだ。"という言葉。
時代の流れに左右されることなく古来の製法を守っている蔵元の一つです。天然醸造にこだわり守り続ける姿勢に深い味噌"愛"を感じました。

野菜もそうですが、自然の力によって作物はその生命を育みます。人間はそれにほんの少ししチカラ添えをするだけ。  
 とベジモ克義氏も言っておりました、ハイ。(主に収穫&&テイスティングメイン!?の私は大きな声では言えませんが、、、尊敬してます。)

モチベーションのアガルお話を伺った後は、社員の方の案内で蔵の見学へGO!
とても詳しく説明してくださいました。
こちらでは主に赤味噌(豆味噌)をメインに育てています。

豆味噌は大豆を蒸すところからスタート。
大きな釜で大豆を蒸した後は、麹菌を培養したもの(米こうじ)を加え、食塩を混合そして発酵させ味噌球というものを作り樽に入れて、約1年半の熟成期間に入ります。
人間が手を加えるのは最初の4日間だけで、樽に入れてから1年半は微生物の活動を見守る作業。樽によって微妙に味が異なるのだそうです。

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わ~~、大きな樽!!この中で熟成が進んでるのね。

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ベジモ・ヒロトシ樽を覗く。この後、蔵の中の"教室"(新城の廃校からもらってきたという子供用の机とイス)で味噌作りの映像を見て、たまりを舐めさせていただきました。
たまりは味噌を作る上で表面にでてくる上澄みですがとても貴重。
気になるお味はというと、濃厚で後にひかないまろやかな旨み。う~~~ん、んまい!

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ああ、なんてことよ。ブレた写真で申し訳ない。味噌も量り売り、しかも対話をして購入して欲しいという想いから値段は書いてないのです。

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こちらが製品。大豆のお菓子のパッケージ"MISOヂカラ"が私のお気に入り。


今回のこの枡塚味噌さんはヒロトシ氏が見つけてきた自慢の蔵元。
豊橋ではサンヨネさんとアツミさんでお取り扱いがあります。

帰り際、ヒロトシ氏の一言。
"あ~~、俺やっぱいいとこ見つけてくるわ~。"
うん、その通りでございます。

生産者を訪ねて①九重味淋

2011年4月25日

今回の行き先は知多半島にある九重味醂株式会社。築300年の歴史を持つ蔵。
今回は本みりんに目をつけて行ったわけですが、まず外観に驚きでした。どこにでもありそうな商店街?らしきところに突如現れた"九重味淋株式会社"の8文字。
そこだけ切り取ったような黒い蔵。第一声は"かっこいい"。

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九重さんの規模は思ったより小さく、こだわってやっている様子が伝わってきました。規模が大きすぎるとそれだけこだわるのも難しくなってくるもんね。まず生産のビデオを見てから蔵へ。

本みりんの材料
もち米、米こうじ、焼酎。

もち米の質によりみりんの甘さが決まるため、国内産のもち米の中でもでんぷん質を多く含み、芳香な甘味の得られる品種を厳選しているそうです。

仕込み

蒸したもち米を大きな釜から少しずつ放冷機で適温に冷やし、「米こうじ」を加えます。「米焼酎」と合わせて撹拌したら、糖化熟成する仕込み蔵へと運びます。

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糖化熟成

焼酎をあわせて攪拌したら糖化熟成する仕込み樽へ。ここで圧搾されるまでのものをもろみといって、もろみが均一に熟成するように、「櫂入れ」(蔵人がもろみを8の字にまんべんなくかき混ぜる)を行います。
温度がとても重要で蔵のなかは常に18℃~20℃に保たれているらしい。夏の暑さ、冬の寒さから守るため、このように樽が半分は地下に埋まっていました。

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圧搾

2~3ヶ月後に圧搾です。糖化熟成したもろみを酒袋に詰め、今は製造されていない"佐瀬式圧搾機"という昔ながらの圧搾機で2昼夜かけて味噌ぐらいの柔らかさになるまでゆっくりと絞ります。(一気に圧力をかける圧搾機だと雑味がでてしまう。)
ここで本みりんともろみに分けます。

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貯蔵熟成

絞られた本みりんは半年から1年かけて大蔵でゆっくりとねかせます。熟成したら最後に微妙に異なる風味を均一にするため、大きなタンクの中で混ぜ合わせます。
味に深みを増した本みりんをろ過し、あの黄金色に澄んだ本みりんが出来上がる!
というわけです。

大蔵
宝永3年(1706年)に建築され、天明8年(1788年)に移築された黒塗総下見板張の土蔵造りの蔵。
蔵のタンクは、床から少し浮かせた状態で置き、上部には木の蓋をかぶせています。地面の温度から直接影響を受けないように底上げし、みりんが呼吸できるよう、木製のふたを使っているのです。

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感想

何百年も前からある木の樽に菌が住み着いていて、その菌たちがすばらしい調味料を作り出してくれる事、そして昔ながらの機械がたくさん残っていて蔵人さんがそれらを今も大切に使っている事に感動しました。

試飲させてもらった九重本みりんはデザートワイン?!というほどのお味で思わず"もう1杯!!"と言ってしまうところでした。そのまま飲んでもおいしい。

~九重みりんさんのお言葉~

時間をかけて、こうじを働かせ、もろみを淋らせ、みりんをねかせる。その先にしか、本物の味わいは生まれないと私たちは考えています。

本物をつくり続けることが、私たちの仕事です。一人ひとりが、先代から受け継いだ味を「変えない」よう、今日も一心不乱にみりんづくりに励んでいます。

HPより抜粋

九重みりん

みりん作りへのひたむきな心が充分に伝わってくる今回の蔵見学でした。


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