生産者を訪ねて③杉浦みりん
先週末、愛知県碧南市にあります杉浦みりんさんへ見学に行きました。
3代目杉浦氏が昔ながらの製法で造り上げる本みりんは、この恵まれた気候風土の元、厳選された国産もち米、麹米、近隣の酒造からでる酒粕焼酎(米焼酎)を使った天然醸造長期熟成の逸品。
こだわって作っている蔵に共通している事は、自然な製法で作られたものは、その作る過程においても自然のチカラが最大限に発揮されてるという事。
本当に素材の持つ力強さを感じます。
そして、こだわりの職人さんのバックグラウンドはいつも興味深いものがあります。
今回も"愛桜純米本みりん"が生まれるまでの背景をお聞きし、胸が熱くなりました。
みりんというのは江戸時代は調味料ではなくお酒として認知されていたそうです。江戸の後期に入ると、食文化が豊かになりその流れで寿司やうなぎのたれなどに使われるようになり、当時大変貴重だった砂糖の代わりとして使用されるようになったそう。
昭和に入るとアルコールの製造方法が確立され、戦後の米不足の影響を受けみりん風調味料が出現する!
これはみりんという名前を使っていながら、本来のみりんとは程遠いもの。安価な穀物材料でアミノ酸等で味付けをしたもので、塩を添加することにより課税対象外になり酒類の枠を外れスーパーなどで売られています。
これらはもろみを仕込んだり、長期熟成のプロセスがなく、調合して出来上がるため安価で売る事ができるのです。
本みりんは、焼酎の中で蒸したもち米と米麹を60日から90日糖化熟成させたいわばお米のリキュール。アルコール濃度は13.5%から14.5%。
対する"みりん風調味料"はアルコールをほとんど含まず。
ベジモでは"野菜にこだわるなら調味料にもこだわろう"という考えがあります。
野菜嫌いになる背景には、おいしく調理されていないという現実があるような気もします。新鮮な野菜を、自然な製法で作られた調味料で調理すればシンプルでおいしいお料理ができるんじゃないかと感じています。
杉浦みりんさんのような自然な製法で作られる調味料がもっともっと表にでていく世の中になりますように。
そのためには生産者であり同時に消費者でもある私たちが"食の知識"を深め命の事を考えた選択をしていく事が大切だという想いをいっそう強めた今回の生産者訪問でした。
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