お知らせ・近況

フランスの味覚週間

2011年11月11日

すでにブログで触れたとおり、フランスの"味覚週間"の研修に参加してきました。

初めに私がこの研修に参加したきっかけと、フランスの"味覚週間"の取り組みについて触れておきたいと思います。

小学校で英語を教えはじめて3年目になりますが、子供たちの状態や、給食の内容について考えさせられることが多くあります。子供の教育に関わらせていただく一人の人間として、この子達が大人になった時に"幸せだなあ"って思って欲しいし、健康であってほしいと願う。

自分の経験からも"食べる事"というのは、身体の健康だけでなく、行動や、想いも作っているということを実感しているので、子供たちにどのように"食のありかた"を伝えられるのかとても興味があり、またそういう活動をしていきたいと最近その想いをいっそう強くしています。

こういう経緯から、食育に力を入れている三重県のモクモクファームさんから届いた一通のメールに大興奮。以前からフランスの"味覚週間"の事は耳にしていて、今回その味覚レッスンに参加できるとあるのを見て、"こりゃ行くしかない!"と思って決めました!こういうときの決断力はあるなと自分で感心してしまうくらい。

さてさて、ここから味覚週間についてお話します。長いけど、読んでね!

味覚教育の第一人者であるジャック・ピュイゼ氏(フランス味覚研究所所長)がトゥールで1974年に小学校から始めたこの"味覚のレッスン"は、"ピュイゼメソッド"と呼ばれ
"五感を最大限に使って味覚を目覚めさせ、食べる事を楽しむこと。 を目的としています。
このほかに賛同するレストランのシェフたちが特別メニューを作り、学生には割引料金を適応する"味覚のテーブル"、市民の味覚への奨励策で、教育ファーム、青空市場、デパート、スーパー等で郷土料理、ワインの試飲、チーズの作り方、料理教室などを紹介する"味覚のアトリエ"などの取り組みが行われています。

france elementary1.JPG

ピュイゼさんの"味覚のレッスン"は12課から成り立っています。

第1課 試食するときの5感
第2課 味覚
第3課 視覚
第4課 臭覚(嗅覚)
第5課 触覚と聴覚
第6課 香料
第7課 料理の準備
弟8課 好きな料理
第9課 地方料理
第10課 食物の保存
第11課 食べ物の含有物分析
第12課 特別の日の食事


味覚教育の最初のレッスンは"感じたことを表現すること"と自分自身を知ること"に集中しています。子供たちが言葉で表現できるようになると、食べる事に関係した新たな体験はより豊かで意味のあるものになります。
食べるという行為をする時、"意識的に味わう"と、私たちは本来誰もが持っている感覚を最大限に感じることができます。レッスンの最後には"特別の日の食事"として、子供たちは着飾ってレストランでおいしいお料理を味わうのだとか。これを子供たちはとても楽しみにしているそうです。

france school 1.JPG


毎年、テーマが変わるのですが、これがまた面白い。
2007 楽しいパーティ
2008 自分の味を知ろう
2009 皆のための味覚
2010 バランスの取れた食生活
など。


フランスは知ってのとおり農業大国。広い国土にたくさんの農業従事者。しかしその数も19世紀初頭から20世紀にかけ10分の1に減ってしまったそうです。農業の機械化と新技術の導入により人の手が必要なくなったことが大きな原因といわれています。どこの国も大変なんだな~~。
この"味覚の1週間"の取り組みによってフランスの食文化を守るべく、フランスは国を挙げて力を入れているそうです。

次回は"フランス紀行②"です。

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